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The age of Charles Martel [Early Middle Ages]

The age of Charles Martel.jpg
Paul M. Fouracre
The Age of Charles Martel(The Medieval World
London: Longman 2000, xiii+207

Editor's preface
Preface
Abbreviations

Introduction
1. The Merovingian background
2. The rise of the Pippinids
3. Crisis, survival and victory, 715-724
4. Charles Martel and the periphery: relations with Aquitaine, Burgundy, Province, and the regions east of the Rhine
5. Francia under the Hammer
6. Mayor without a king and king without a mayor
Conclusion: the age of Charles Martel

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Geneologies
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Index

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1953年生まれの著者は現在マンチェスター大学歴史学部長。リーズ大学のイアン・ウッドとならび、英語圏のメロヴィング朝研究をリードする立場にある。『新ケンブリッジ版中世史』の第1巻の編者でもある。

カール・マルテルの名前は、高校の世界史教科書に出てくるので、誰でも知っている。732年のトゥール・ポワティエ間の戦いでイスラーム勢力を撃退し西洋世界を守ったという神話にみちた、かの人物である。かように著名な人物であるにもかかわらず、彼に関する実証的研究はほとんどなかった。これまた史料の問題である。本書は、カール・マルテルという人物を中心に据えながらも、彼の家門と領土の展開を軸に、8世紀という時代の諸相を浮き彫りにする。本書の評を試みた佐藤は、フォーエーカーの試みに、司馬遼太郎『空海の風景』と同じ叙述作法を見ている。
佐藤彰一「書評 Paul Fouracre, The Age of Charles Martel」『西洋史学』200号(2000年)86-89頁

余談だが、英語でカール大帝は、フランス語表現のCharlemagneを採用している。かつてCharles the Greatとしているモノもあったが、いまはそのような表現はとらないらしい。フランス語だと「シャルルマーニュ」だが、英語だと「シャーメーン」。最初何を言っているのかと思った。

イギリスは現在3年で博士号を取得させるように強いプレッシャーがあるという。フォーエーカーによれば、「いま初期中世史は不人気。まずドイツ語とフランス語が出来ないと話にならないから」。現在、イギリスの成果を抜きに初期中世史研究を語ることはできない。それはウォレス・ハドリルに加えて、ドイツからの移民であるヴィルヘルム・レヴィゾンとワルター・ウルマンが基礎を築き、その教え子であるロザモンド・マッキッタリックそしてジャネット・ネルソンが数多くの弟子を育てたからである。フォーエーカーはネルソンの最初の教え子である。ローマ史と同じく、英独仏羅の十分な読解力を身に着けてようやくスタート地点に立つことのできる初期中世史は、現行の学位取得制度の枠組みでは、なかなか継承者が育つことはないだろう。イギリスでさえこうなのだから、いわんや日本をや、である。



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