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Studien zur Universalkartographie des Mittelalters [Intellectual History]

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Anna-Dorothee von den Brincken
Studien zur Universalkartographie des Mittelatlers(Veröffentlichungen des Max-Planck-Instituts für Geschichte 229).
Göttingen: Vandenhoeck & Ruprecht 2008, 781 S.

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フォン・デン・ブリンケンはケルン大学の名誉教授で中世地図研究の第一人者。中世の空間感覚を知りたい者は、フランスのパトリック・ゴーティエ=ダルシェとともに、ぜったい読まねばならない研究者である。本論集はDAに掲載された1968年の雄編「Mappa mundi und Chronographia」から2006年の論文まで、合計38本を収める。著作一覧はこちら

彼女の研究の特徴は中世における時間感覚と空間感覚を同時にとらえようとするところにある。そもそもはフライジングのオットーの世界年代記の研究で博士号を取得し、そののち地図史に移行した。中世の地図であるマッパ・ムンディは、ただの地図ではない。そこには聖書的キリスト教的歴史観が反映され、キリスト教史において重要な地名がフィーチャリングされる。そもそもマッパ・ムンディは東が上になる。そのようなわけで、中世の地図を理解するためには、空間感覚だけではなく時間感覚も考慮しなければならないのである。

おもしろかったのは英語からの翻訳へのかかわり方である。本来英語で出版されたEvelyn Edson & Emilie Savage-Smith, Der mittelalterliche Kosmos. Karten der christlichen und islamischen Welt, Darmstadt 2005において、記述が物足りなかったのか、彼女独自の見解をかなり書き足している。完全版と言えば完全版だが、英語版とは別物と考えたほうがいい。

本書はマックスプランク歴史研究所の叢書の一冊である。久しぶりにウェブで研究所を調べてみると、ない。歴史研究所がない代わりに、その跡地に「多層宗教・エスニシティ社会研究所」のウェブサイトがあった。…整理されると噂には聞いていたけど、本当にやったんですか。当該叢書の一覧を見ればわかるように、歴史研究所はドイツ中近世史にとって非常に重要な役割を果たしてきた。とりわけ長年所長を務めたオットー・ゲアハルト・エクスレのもとで、数多くの研究集会が開催され、論文集として刊行された。ドイツ流事業仕分けの一環かもしれないが、これはまずいんじゃないの…。比較法史、美術史、学問史などは残っているんだけど。



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