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The Normans in Europe [Sources in Latin]

The Normans in Europe.jpg
Elisabeth van Houts ed. and tr.
The Normans in Europe(Manchester Medieval Sources series).
Manchester: Manchester UP 2000, xii+308 p.

Acknowledgements
List of abbreviations

Introduction
1. From vikings to Normans
2. The Normans in Nornamdy
3. The Normans and Britain: the Norman Conquest
4. The Normans and their neighbours
5. The Normans in the Mediterranean

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Index

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ノルマン人関係の文献史料の抜粋とその解説。出ていることは知っていたが、今の今まで購入していなかった。とてもよくできているので、もっと早く買っとけばよかった。

著者の名前はなんと読むのかわからないが(デンマークの指導教官はヴァン・ヒューと言っていた)、多分ノルマン関係の文献史料を一番読み込んでいる人。もともとオランダで博士号を取り、いつの間にかケンブリッジでテニュアをとった。これまでの彼女の論文から判断する限り、歴史学者というよりは文献学者。あまり冒険的な議論はしない。テクストに書かれてあることがすべて。

前にも書いたが、わたしはヴァイキングとノルマン人を截然と分ける風潮にはやや疑問を持っている。その基底にはほぼ間違いなく封建制の導入という問題があるが、封建制概念が揺らいでいる今、ノルマン人研究者はノルマンディ成立以前をなかったことにする態度を少し考え直したほうがいい。封建制云々を除いても、ノルマンディはとても重要な地政学的意味を持っている。ルアンとパリの商業関係、モンサンミシェル修道院やベック修道院の成立と知的活動、イングランド王家とノルマンディ公家の政治的関係(当然英仏海峡の支配圏も含む)、エクスチェッカーの成立問題など、私の知る限りほとんど未解決である。

史料の抜粋とその解説は、教育効果が高い。日本で手頃な西洋中世関係のものと言えば『西洋法制史料選(2)中世』(創文社 1978年)、『西洋中世史料集』(東大出版会 2000年)、『世界史史料 ヨーロッパ世界の成立と膨張 17世紀まで』(岩波書店 2007年)くらいしかない。ノルマン人とまではいわなくても、もっとテーマを絞ったものがあってもよいと思うが…。あと中世ラテン語との対訳教科書とか。こういったものが教養課程で一般的に使われてないから、歴史学は史料に基づくものだという当たり前の考えが西洋史に根付かないんじゃないの。高校では世界史資料集を買わせるんだけどねえ。

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