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Introduction aux sources de l'histoire médiévale [Reference & Dictionary]

Castle of the Duke of Brabant Turnhout.jpg
Raoul C. van Caenegem
Introduction aux sources de l'histoire médiévale(Corpus Christianorum Continuatio Mediaevalis).
Turnhout: Brepols 1997, 649 p.

Préface
Abréviations

Introduction
Partie 1: Typologie des sources d l'histoire médiévale
Ch.1. Sources narratives au sens strict
Ch.2. Lettres, traités, livres de droit et écrits polémiques
Ch.3. Chartes et documents administratifs
Ch.4. Documentation fiscale et socio-économique
Ch.5. La langue des sources

Part 2: Bibliothèques et archives
Ch.1. Bibliothèques
Ch.2. Archives

Part 3: Grandes collections et répertoires de sources
Ch.1. Introduction historique
Ch.2. Collections de sources importantes
Ch.3. Listes de sources

Part 4: Ouvrages de référence pour l'étude des textes médiévaux
Ch.1. Ouvrages linguistiques
Ch.2. Encyclopédie pour médiévistes
Ch.3. Noms de personnes, prosopographie et biograhie
Ch.4. Noms de lieux, atlas et géographie historique
Ch.5. Chronologie et listes de faits
Ch.6. Byzance: ouvrages de référence

Part 5: Introduction bibliograhique aux sciences auxiliaires de l'histoire
Ch.1. Diplomatique
Ch.2. Paléographie
Ch.3. Épigrahie
Ch.4. Numismatique
Ch.5. Sigillograhie
Ch.6. Généalogie et héraldique
Ch.7. Métrologie historique
Ch.8. Informatique et études médiévales

Index

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中世史の研究者はだれでも知っている、歴史史料を探すためのハンドブック。ケネヘムは法制史の専門家で、もともとオランダ語で出版され、1970年代にドイツ語と英語に訳されて広く利用された。このフランス語版が決定版で、増補されている。ただしこの十年間で史料学の成果は爆発的に増えたので、再増補も必要であろう。

ベルギーは、すくなくともこのケネヘムとレオポール・ジェニコが健在であったときは史料学の中心地であった。史料学とは、歴史研究の出発点となる史料の特性を明らかとし、その史料から何が言えて何が言えないのかを突き詰めることを目的とする。日本語で読めるよい例はこれね。史料は歴史家の命であり、ブローデルとウォーラーステインをわかつ基準である。この違いがわからない人を歴史家とは言いません。ただし史料論は、それで何がしたいのか、その先にある目的を明確にしておかなければ、特に西洋学の場合はあまり意味がないということも言い添えておきたい。その件はこちらにかいた。

ただしこれはあくまで中世史学のためのもの。第一部を見て分かるように、法制史料と叙述史料という、一般史家特有の史料区分が出発点となっている。これには歴史的経緯もあるが、このような分類自体が一つのイデオロギーであることは銘記すべきである。問題の立て方によって利用される史料の優先順位は可変するので、つねに法制史料が最も重要な史料となるわけではない。もちろん事実を確定する際に最も重宝するのは、法制史料であることも確かである。ほんとうは美術史学や思想史学でも同じような試みがあってしかるべきなのだが、あるのかな。私が知らないだけなのかもしれない。

第3部第1章は必読。ルネサンス期から20世紀にいたるまでの中世歴史史料の集成の歴史が簡潔に述べられている。ひとつの近代史として、近代史家もこの部分だけは読んでも面白いかもしれない。というより、近代史の背景知識のある近代史家のほうが、面白いんじゃないかな。たとえばこれのように写本の歴史はなくもないけど、史料集成の歴史は珍しいでしょう。ここだけでも紀要にでも訳せば需要はあると思う。日本史でも塙保己一にさかのぼる歴史があるはずだけど、それを論じたものはあったかなあ。

100ページになんなんとするインデックスがとても立派。以前どこかでインデックスの歴史を扱った論文を見たけど、どこだったけなあ。ついこの間自分でもささやかながらインデックスの作成に携わったが、これは大変な作業でした。凝ればいくらでも凝れるんだけどねえ。

写真はブレポルスのあるトゥルンホウト(という発音でいいんだよな。フラマン語圏だから)にあるブラバント公の城。12世紀に作られたが、その後何度も改装して今のかたちになった、らしい。

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