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Norway: A History from the Vikings to Our Own Times [Medieval Norway]

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Rolf Danielsen et al.
Norway: A History from the Vikings to Our Own Times
Oslo: Scandinavian University Press 1998, xiv+486 p.

Part 1: Down to 1536(Knut Helle)
1. The country and the people
2. 'Land of the Norsemen'
3. Population, settlement and the economy up to around 1350
4. Society in the high middle ages
5. A society regulated by the monarchy and the Church
6. The great crisis
7. The political system of the late middle ages

Part 2: 1536-1814(Ståle Dyrvik)
8. Union with Denmark
9. Demographic and social patterns
10. The economy
11. Income and power
12. The state and its subjects
13. Denmark and Norway
14. The union collapses

Part 3: 1814-1945(Rolf Danielsen and Edgar Hovland)
15. The consolidation of the new state(R.D.)
16. Recovery and growth: the Norwegian economy, 1815-75(E.H.)
17. The embetsmenn state: golden age, decline and fall(R.D.)
18. Modern Norway takes shape, 1875-1920(E.H.)
19. The political sphere, 1884-1918(R.D.)
20. The inter-war years
21. Crisis and war: from discord to unity(R.D.)

Part 4: The years since 1945(Tore Grønlie)
22. Reconstruction, radical change or continuity ?
23. A quarter of a century of growth
24. The welfare society
25. A state in search of co-operation and consensus
26. Norway - a hesitant internationalist
27. The post-war years in perspective

Norwegian governments after 1873
Chronology
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Glossary of Norwegian terms
Subject index

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現在最もリーダブルなノルウェー通史。中世該当箇所はベルゲン大学の雄クヌート・ヘッレ。執筆者は大御所なので標準的見解として取ってよいのだろうが、正直記述が教科書的で淡白にすぎるのでつまらない。図版やグラフは豊富なので、資料集として便利ではある。

日本にノルウェーの研究者はほとんどいない。国際関係の専門家が20世紀史に手をつけることはあるが、19世紀以前は限りなくゼロに近い。現代政治よりも歴史のほうが面白いと思うのだが、残念ながら教える人がいない。ノルウェーは1319年からスウェーデンとの、1380年から1814年までデンマークとの同君連合であった。その結果、政治・経済・文化の中心が、海を隔てたコペンハーゲンにあるという特異な状況が数百年にわたり続いた。別にデンマークは搾取の限りを尽くしたというわけではないが、すくなからぬ行政官僚はデンマーク人で行政言語としてはデンマークが用いられた。これはノルウェーの様々な側面に大変大きな痕跡を残しているが、かつてのノルウェー史家はこの同君連合期を国恥としたので、極度にデンマークの影響をそいだ記述がなされた。しかしそれはおかしい。日本との関係そしてその影響抜きに20世紀朝鮮半島史を書くようなものである。

日本語で読めるノルウェー史はただ一冊。
Ø. ステーネシェン/I. リーベク(岡沢憲芙監訳/小森宏美訳)『ノルウェーの歴史 氷河期から今日まで』(早稲田大学出版部 2005年)

もとは、外国人向けの英語の小本である。監訳者はあとがきで著者について全く触れていないが、両者ともオスロ大学で教育を受けたのち、現在はノーベル平和研究所に所属する。ノーベル平和賞に関する著作もある。なお本書の固有名詞の読み方や歴史上の専門用語の訳はひっかかる。「オラヴの情熱」ではなく「オーラヴの受難」。バッハの名曲を「マタイの情熱」と訳す人はいないでしょう。

2005年は、日本・ノルウェー修好100周年であった。このノルウェー史のほかにも、早稲田大学出版局から、合計5冊、ノルウェー関係の本が出た。書き手が統一しておらず雑多な感はあるが、今後のノルウェー研究の指標となるでしょう。

写真はノルウェー語版のもの。


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