So-net無料ブログ作成

Kingship and State Formation in Sweden 1130-1290 [Medieval Sweden]


Philip Line
Kingship and State Formation in Sweden 1130-1290(The Northern World 27).
Leiden: E. J. Brill 2007 697 p.

Acknowledgements
A Note on Spelling
A Note on the Sources
Abbreviations
Preface

Chapter 1: State formation and medieval Government
Chapter 2: Sweden before 1130
Chapter 3: Kings and Power Struggles: Sweden from 1130 to 1290
Chapter 4: The state and the law
Chapter 5: Kings and king's men
Chapter 6: Territorial division
Chapter 7: Taxation and the military ledung
Chapter 8: The king's land
Chapter 9: Royal Administration in the early Folkung period
Chapter 10: Fortifications and urbanisation
Chapter 11: The Church and the Ideology of Kingship
Chapter 12: Eastward Expansion
Conclusion

Appendix 1: Families and their Landholdings
Appendix 2: Swedish fortifications and palaces
List of Kings and Rulers of Sweden
Glossary
Genealogical tables
Prosopography of people listed in the genealogical tables
Kings of Norway 1103-1319
Maps
Bibliography
Index

* * * * * * * * * *

英語で書かれた初めての中世スウェーデン国制史の研究書である。著者は現在フリーランスの翻訳者らしいが、本書は2004年にリーズ大学に提出した博士論文がもととなっている。

スウェーデンでは11世紀に東方拡大のヴァイキング時代が終わったのち、中世が始まる。スウェーデン史学は大陸とも他の北欧諸国とも異なり、13世紀半ばまで「初期中世」が継続する。盛期中世の始まりは、1250年にビリイェル・ヤールの息子ヴァルデマー・ビリェルソンが王位に就いたことであり、これよりいわゆる「フォルクング家門」によるスウェーデン支配がはじまる。スウェーデン東部つまり現在のフィンランドへの拡大をともなう「ヤールの世紀」(Dick Harrison)である。本書の射程は、グスタフ・ヴァ―サに先立つスウェーデンの強国時代を準備したその基盤整備にある。ぱらぱらめくる限りはそう読める。

頁数が膨大すぎて今は通読する余裕もないが、基礎的事実とともに研究史上のアーギュメントもきちんと押さえているようであり、辞書的に使うのがいいのかもしれない。辞書的という点で優れているのはアペンディクスであり、「家門とその保有地」と「スウェーデンの要塞と宮廷」、さらには各家門の系図である。このような基礎データ一覧は私の知る限り史上初めてであり、この時代のスウェーデン中世史もようやくスタートラインに立ったかなといったところである。土地と城塞は封建制のかなめであり、封建制は中世社会の中核である。ヴァイキング時代と中世の差はここにあると思うが、私自身うまく整理できていないから何とも言えない。大陸社会の封建制との違いもあるのだろうし、スーザン・レノルズもスカンディナヴィアまで含めて論じてはいないだろうからよいテーマではありそうだが。ただ史料は中世後期になるまで期待できない。

本書はブリル社の「The Northern World」シリーズの一書であるが、ちょっと高過ぎ。紀伊国屋を通じて税込24173円。仕事がら買わないわけにもいかないが勘弁してください。文字をつめて頁数を減らし、装丁ももっとぼろくすれば安くなるんじゃないかと思うが、そういうわけにもいかんのかね。このシリーズ、日本の大学図書館にそれほど入っているようにも思えないが、前近代北ヨーロッパの研究をする向きには必須のシリーズですよ。一冊だけ邦訳もある。
ミリヤ・ヴァン・ティールホフ(玉木俊明・山本大丙訳)『近世貿易の誕生 オランダの「母なる貿易」 』(知泉書館 2005)xii+403頁
Milja van Tielhof, The "Mother of all trades" : the Baltic grain trade in Amsterdam from the late 16th to the early 19th century(The Norther World 3). Leiden : Brill, 2002

彼女のものでは
De Hollandse graanhandel, 1470-1570 : koren op de Amsterdamse molen(Hollandse historische reeks 23). Den Haag: Stifting Hollandse Historische Reeks, 1995, x+282 p.

のほうが中世史家には重要か。


nice!(0) 
共通テーマ:学問

nice! 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。