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Texts and Contexts of the Oldest Runic Inscriptions [Runes]


Tineke Looijenga
Texts and Contexts of the Oldest Runic Inscriptions(The Northern World 4).
Leiden & Boston: E. J. Brill, 2003, 383 p.

List of abbreviations
List of maps

1. Runes, runology and runologists
2. History, archaeology and runes
3. On the origin of runes
4. Summary and some conclusions

Catalogue
5. Early Danish and South-East European runic inscriptions
6. Brakteates with runes
7. Continental runic inscriptions
8. Early runic inscriptions in England
9. Runic inscriptions in or from the Netherlands

Appendix: Swedish and Norwegian inscriptions in the older Fuþark
Bibliography
Index

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少なくとも民族移動期以前においてルーンはスカンディナヴィア特有の現象ではない。1世紀というローマ帝政時代において出現し、広くゲルマン世界で利用された文字である。歴史言語学者による初期中世ルーンの基本書。特に第3章は、従来デンマーク説が有力であったルーンの起源地を、紀元1世紀のライン沿岸のローマ化された地域、おそらくUbii周辺であるとした点は、この先論議を呼ぶだろう。要するに、文字文化の高度に発達したローマ世界との接触点において生み出されたのがルーンであるという考えであり、ルーン生成にあたってのコンテクストの重要性を強調する。テクストだけを読んでいては言語の変化を追うことができないという考えは、近年の歴史言語学の共通理解でもあるのかもしれない。

巻末のカタログも大変有益。これまでルーン、特に大陸ルーンの支持体のデータと写真参照したい場合には、
Helmut Arntz & Hans Zeiss, Die einheimischen Runendenkmäler des Festlandes. Leipzig: Otto Harrassowitz, 1939, 519 S.

のような古い刊本に頼らざるを得ず、不便であった。もちろん戦前のドイツ・ルーン学の成果は今でも参照に足る質量を備えており、とりわけアルンツのハンドブックは今でも利用できる。
Helmut Arntz, Runenkunde. Halle: Max Niemeyer, 2 Aufl. 1944, 314 S.

ドイツのルーン学は、ナチズムとの関係においても興味深い展開を見せているが、オランダのルーン学はどうなのだろうか。低地地方にはフリーゼン・ルーンという、ルーンの亜型が存在し、本書の著者であるルーイジェンガが所属するアムステルダム大学がその研究の牙城となっている。


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